リノベーション済物件のメリット・デメリット
住宅購入を検討した時に、中古物件の購入を検討される方が増えています。
中古物件には2つのパターンがあります。
①建築当初のままの現状での引渡し
②リノベーション工事済みでの引渡し
今回は、リノベーション済みの物件(マンションや戸建)を選ぶ際のメリット・デメリット・注意点についてをご紹介します。
目次
まずはリノベション済みのメリットから、見ていきましょう。
① 新築同様の内装
リノベーションの名の通り、年数が経過し古くなったものを新しく生まれ変えて、新築同様として購入できます。
キッチンやユニットバス、トイレ、洗面台の水回り設備が一新され、フローリングやクロスの張替え、間取りの変更も行われています。一戸建てであれば、耐震リフォームや断熱リフォームを行っている物件もあり、性能も向上しており、新築同様になっています。
② 住むイメージがしやすい
中古住宅を購入後にリノベーションを行う場合は、なかなか完成後のイメージがつきにくいです。
リノベーション済みの物件なら、完成した部屋を実際に確認して購入できるので、住んでからのイメージがしやすいです。
③ すぐに入居できる
リノベーション済み物件は、完成しているので、すぐに入居が可能です。
中古住宅を購入後にリノベーションを行う場合は、打合せを何度も行ってから、リノベーション工事を行います。購入からリノベーション完成まで約3ヶ月から半年ほどになるので、引っ越しをするまでに時間が掛かります。
④ 住宅ローン1本で購入できる
中古住宅購入+リノベーション費用を合算し、まとめて住宅ローンを組める商品も増えてきています。
しかし、購入した中古住宅の引渡しまでに、見積書を提出する等の制約があることで、別途リフォームローンを組まなければいけないケースがあります。リフォームローンの場合、金利が高く、年数も住宅ローンより短く設定されています。
⑤ 費用を抑えられる
新築よりも価格が抑えられます。中古住宅を購入してからリノベーション完成までの間は、家賃や光熱費+住宅ローン返済を支払うことなく、金利が高いリフォームローンを使った場合の返済などの費用が抑えられます。
また、売主物件であれば仲介手数料が掛かりません。
※リノベーション済物件は不動産業者が売主であることが多いです。
例)3,000万円の物件を購入した場合の仲介手数料
※売買価格が400万円を超える場合の仲介手数料(上限)
(3,000万円×3%+6万)×1.1(消費税10%)=105万6千円
なんと、この金額が掛からないということになります!
一方、建物自体はそれなりの築年数が経過しているので、一般的には新築の相場よりも安く販売・賃借されることが多いのです。
人気エリアの新築物件は非常に高額ですが、リノベーション物件なら、あなたの予算に合った物件も見つかるかもしれません。
広さや設備の面でも、新築よりも選択肢が広がるでしょう。
⑥ 契約不適合責任が最低2年あり、安心できる
購入した物件に目に見えない瑕疵(欠陥)があった場合、売主が責任を負うことを「契約不適合責任」と言います。リノベーション済物件の多くは不動産会社が売主になりますので、最低2年間の契約不適合責任を負うことが法律で定められています。
通常に多い売主が個人の場合は、期間が3ヶ月となっているケースが多いため、それに比べ安心です。
① 理想の間取りではない
理想とする間取り・プラン・設備仕様などは十人十色であり、リノベーション済物件の場合は完成しているので、自分たちの理想と相違する場合があります。間取りや設備などこだわりのリノベーションを行いたい方には、リノベーション済み物件は不向きです。
② 希望のエリアにない
最近ではリノベーション済み物件は増えていますが、まだ通常の中古住宅の販売と比べ、リノベーション済物件の数はまだ少ないため、自分達の希望するエリアにない場合もあり、選択肢が限られてしまう場合があります。
③ 工事の過程が確認できない
完成しているため、工事の過程の確認が出来ず表面上での確認しか出来ない。
施工中の写真や、どのような工事を行ったかの履歴などを見せてもらうなどで確認が出来ると安心です。
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今回は、リノベーション済物件のメリット・デメリットをご紹介しました。
ご自身に合った住まい選びを実現するための参考になれば幸いです。
著者
ヤママンリフォーム株式会社
代表取締役 畑仲大輔
家づくりが楽しくて仕方がない、お客様の笑顔が大好きな建築屋さんの代表。
住宅建築コーディネーター、リノベーションコーディネーター、ライティングコーディネーター、宅建士、ファイナンシャルプランナー、ライティングコーディネーター等の資格を保有し、様々な視点から住まいのご提案や情報を発信しています。