家の断熱性能
目次 ~このブログで分かること~
■ 窓の断熱は必須!
■ 補助事業の活用!
■ まとめ
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私たちの住む関東の今年の冬は、比較的暖かい日が多いですが、やはり朝と夜は冷え込みます。寒い朝は、なかなか布団から出られない…なんて人も多いのではないでしょうか?また、最近の夏は異常な暑さから、なかなか寝付けないことも多いと思います。
冬にエアコンの温度を上げても、なんか寒い!夏は下げ過ぎると冷えすぎる!電気代が高騰していて光熱費が大変だから、なるべく使わずに我慢する。このような光景が日本では当たり前になっています。
この問題を解決するのが、家の断熱性能を上げることです。
現在、電気代だけではなく、ガソリン代、日常品、食料品と様々なものの値上げが続いています。少しでも出費を減らそうと家電を買い替える時は、省エネタイプの家電を選んだり、車を買い替えるときは、燃費の良い車を検討していると思います。
では、家の燃費について検討したり、考えたことがあるという方は少ないのではないでしょうか?
住まいの燃費を良くすれば、電気代が下がるだけではなく、健康に快適な生活が出来るようになります。新築だけではなく、今のお住まいでも可能になりますので、是非、最後までお読みください。
燃費性能が悪い家(寒い・暑い家)は、住んでいても寒いし暑いのですから当然、快適とは言えないですよね。
今までは家の断熱って正直…軽視されてきたと思います。ここ数年は新築を建てる方は高気密高断熱住宅を選ばれ、少しずつではありますが、断熱性能の高い快適な住まいが増えてきています。また、2025年4月から建築基準法が改正され、基準に満たない断熱性能の低い建物は建てられなくなります。ここでは建築基準法の改正の話は割愛しますが、断熱に対して考えられるようになってきました。
下記【図1】は2019年時点のデータになりますが、日本の既存住宅の断熱性能の割合になります。なんと、日本の既存住宅の約9割がまともな断熱されていない住宅ということがわかります。
また、世界の中でも日本の住宅の断熱性能は極めて低いと言われています。下記【図2】は日本と他の先進各国の断熱基準になります。
縦軸のUA値は断熱性能を表していて数値が小さい程、断熱性能が高くなります。横軸はが外気温の寒さの度合いで、日本は各地域8つの気候区分に分けられています。
図1の現行基準に適合している13%は「断熱等級4」と呼ばれるグレードです。図2の日本の数値は、その断熱等級4の数値ですが、ご覧のとおり他の先進国に比べて低い数値なのが分かります。
現行の基準値でも低いので、日本の既存住宅の約9割は日本の基準に満たないという恐ろしいことになっているのです。これでは日本の住宅のほとんどが他の先進国では違法建築になってしましいます。
燃費性能が悪い家(寒い・暑い家)は、健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。
WHO(世界保健機関)では、冬の住宅の最低室内温度として18℃以上を勧告を出しています。18℃未満で血圧上昇・循環器疾患の恐れ、16℃未満で呼吸器系疾患への抵抗力が低下するとしており、高齢者ほど室内温度の低下による血圧の上昇が大きく、注意が必要です。
TVや新聞などで目にする冬に起こるヒートショック死は交通事故の6倍以上です。年間で全国の交通事故死の2,610人(2022年警察庁)に対して、ヒートショックによって亡くなった方、入浴中に倒れて他の疾病に起因する病死の方も加えると、約17,000人(2011年東京都健康長寿医療センター研究所)と推計されています。
ヒートショックは、部屋間の温度差の大きさによって血圧が変動し、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こします。家の中の部屋間で温度差があると、毎日血圧変動を繰り替えすため体に良い訳がありません。
また、冬の窓ガラスに起こる結露が原因でカビ発生し、カビを餌とするダニが増殖します。それにより様々なアレルギー症状を引き起こすことも考えられています。
最近の夏は記録的な猛暑が続き、熱中症の方が増えていますが、もっとも多いのが自宅で熱中症になるケースです。熱中症で亡くなった方の多くは高齢者で電気代を気にしてエアコンを付けなかったり、体温調節機能が衰え、暑さを感じにくくなることなどにより熱中症になってしまっています。
家の断熱性能を高めることで、健康リスク改善になることが分かってきています。
エアコンが効いたリビングから冬場の廊下、脱衣所、トイレなど、部屋間の温度差を少なくすることでヒートショックへのリスクが低減します。
また、家が暖かくなることで起床時の血圧が低下するという調査結果も出ています。
厚生労働省は40~80歳代の最高血圧を平均4㎜Hg下げることを目標に掲げていますが、調査結果から住まいの断熱を高めることで、3.5㎜Hg下がっており、今後、住まいを断熱する大切さが見直されるのではないかと言われています。
さらに家の断熱性能を高めることにより、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが改善したというデータも出ています。
その他にも睡眠障害、夜間頻尿、腰痛などのっ症状改善や骨折、ねん挫などのけがのリスクの低減などの研究結果の報告もあり、今後も家の断熱性能を高めることと健康について、様々な研究が行われていくことでしょう。
家の空間全体を暖めれば、足元まで暖かくなり冷え性の悩みも解消できますよね。そして、床の表面温度が上がれば体感温度も暖かくなります。部屋の上下の温度差がわずかになり、足元が寒い、冷えるといった暮らしの悩みが解消されます。
■ 窓の改修は必須!
既存住宅の断熱リフォームのやり方は様々ありますが、弊社では「家全体の断熱工事」をお勧めしています。
家全体と聞くと「仮住まいしなければいけなのでは?」と悩む方もいらっしゃいますが、住みながら家まるごと断熱工事をすることも可能です。
さらには「でも、お金が掛かるよね…?」という方も多いですよね。でも、メリットを考えたら、家全体の断熱改善リフォームを検討しても良いかと思います。
今後のライフプランなどもしっかり考慮した上で検討いただき、より詳細を聞きたいという方は是非、弊社へご相談ください。
弊社へご相談ある方で、家全体の断熱工事は難しい方も沢山いらっしゃいます。
そのような場合、弊社では「窓の改修を必須!」とお伝えするようにしています。窓の断熱は、比較的簡易に工事が行えて、エアコン効率が高められます。窓や玄関ドアなどの開口部は家の中で、もっとも熱が出入りする場所。夏は73%、冬は58%も出入りしているのです。
たまに「うちはペアガラスだから大丈夫」と聞くこともありますが、それは間違っている可能性があります。
サッシがアルミで、ガラス種類がただのペアガラスであれば注意が必要です。樹脂製のサッシでLow-Eペアガラスであれば性能は高くなり、熱の出入りを低く抑えることが出来ます。
窓の改修の中でも、室内側にもう一つサッシを取り付ける「内窓」が簡易的で予算も抑えることが出来るので、弊社でも一番多い断熱リフォームになっています。
画像:LIXIL
■ 補助事業の活用
ここまでで断熱性能を高めるメリットは理解できたのではないかと思います。
ただ、前述した通り、予算のことも気になると思います。工事が大きくなれば金額も大きくなりますが、効果も大きくメリットもある…。簡単には決断できませんよね。
そんな時は是非、補助事業を活用してください。様々な国の補助事業があり、地方自治体でも独自の補助事業があったり、国と自治体の事業と併用可能な場合もあります。
省エネ、断熱工事に対しては、Co2削減の観点から多くの補助事業がありますが、工事をしてから「知らなかった!」では損をしてしまいます。
例えば、前述した内窓の工事ですと、今年も大型補助金がスタートしていますので、窓改修工事の約5割程度の補助金が戻ってきます。
※窓の種類、大きさなどにより補助額が変わるため、戻る割合は変動します。
補助事業には、工事前に事前応募して承諾されてから工事を行うタイプの事業や、応募のスケジュール期間が決まっているものなど事業によって様々ですので、ご注意ください。
また、省エネリノベーションを行うと、所得税の税額控除や固定資産税の減額措置といった減税措置も条件次第では受けられる可能性もあります。
補助事業や減税措置を知らないと損をしてしまいます。損するのではなくお得に賢くリノベーションしましょう。補助事業、減税措置について、詳しくは弊社担当へご相談ください。丁寧にご説明させていただきます。
■ まとめ
断熱性能を高めることによって、電気代の軽減、健康リスクの低減、何より毎日過ごす場所が快適になることは一番のメリットだと考えています。
リフォームで一番多いのは、水廻り設備のリフォームです。確かに毎日使う設備も良いものになれば快適になるかもしれませんが、併せて断熱リノベーションも検討してみてください。
皆さんが相談する工務店、建設会社、リフォーム会社で、断熱リノベーションや補助金に関しても積極的に聞いてみてください。しっかりとした回答が返ってこない場合は、あまり勉強していないと思いますので、しっかりと回答出来る会社に依頼をしてください。
なぜなら、断熱リノベーションは規模が大きくなれば大きい程、奥が深く、難易度も高いですし、補助金もスケジュールや経験が左右されるためです。
弊社では、断熱工事を主として行っており、長年、補助事業や減税措置をご提案・サポートをしていますので、今の依頼先では不安だな…。まだ依頼先が決まってない…。という方、まずは弊社へお問い合わせ・ご相談をお待ちしております。